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運転者の心構えをご紹介!余裕ある運転をしましょう。
2017-8-2掲載
窓は少しすかせて
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モーターコラムも随時更新しています。〔一路一会〕
しかし,だからと言って,エアコンの利きを良くするため,暑い外気が入らないよう窓を閉め切ったままで運転するのは望ましいことではありません。そうすることで,外気だけではなく,外からの音の情報も遮断されてしまうからです。
交通事故の最大の原因が,運転の3要素といわれる『認知』『判断』『操作』のうちの『認知』部分のエラーによるものであることはご存知の筈です。つまり,周囲の様子が正しく把握出来ていなかったり,危険に気付くのが遅れたりしたせいで,事故を防げなくなってしまっていることが多いのです。
その認知作業の中心となるのが,目による情報の収集であることは言うまでもありませんが,目,つまり『視覚』だけで,安全確保に必要な全ての情報を採ることは不可能です。それを補うために欠かせないもののひとつが,『聴覚』つまり,音による耳からの情報なのです。
視覚による情報は,目を向けている方向からしか採れませんが,聴覚は全ての方向からの音を捉えられるので,耳を活用すれば,まだ目には見えていない様子もいち早く察知することが出来る筈です。例えば,後方から迫ってきている車や,側方をすり抜けていこうとしているバイクなどのエンジン音で,それらの車の存在に気付くことも容易になるのではないでしょうか。
ところが,窓が密閉されていたのでは,そうした情報が得られなくなってしまいます。他の車の警報音なども聞き漏らしてしまう恐れもあるでしょう。
そればかりではありません。緊急自動車のサイレンに気付くのが遅れれば,適切な避譲が出来なくなり,それらの車の進行を妨げてしまうことにもなりかねないでしょう。これは,他の人の命に関わる大問題です。
エアコンを使っていても,運転席と助手席側の窓は必ず少しは空かせておくこと。外からの音を取り入れるのは,居眠り等の防止になるとも言われています。
もちろん,間違っても大音量で音楽を掛けながら運転したりすべきでないことは言うまでもありません。
交通評論家 矢橋 昇